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二階堂と別れ、俺は自宅に帰った。
親は共働きで、兄弟もいない俺は、日が暮れるまで家で一人だ。 リビングに着くと、電話に留守電が入っていた。知らない番号。 きっと親宛てだろうと思い、そのままにしておいた。 さて、何もすることがない。 冷蔵庫を探るも、食材があるだけで、今すぐ食べられる物は何もない。 そもそも、あった所で食べやしないのに。 一日先延ばしにされた課題も、解く気なんて起らない。 ドラマの再放送でもしているだろうか。気紛れにでもなるだろうか。 俺は、何となくテレビを付けた。 丁度設定されていたチャンネルでは、ニュースが放送されていた。 『速報です。つい先ほど、アパートの屋上から転落死した女子高生の身元が分かりました』 また起こっていたのか。 “高校生”と“転落”という単語がついた時点で、ほぼ100%あの事件の類だろう。 ついさっき、屍という非科学的な彼是が絡んでいる新情報を俺は得たばっかりだ。 『転落した少女は**県**市住在の伏日和さん一六歳とのことです』 チャンネルを変えようとして持っていたリモコンを落とした。 まさか、人違いだろ。 だってそんな事、あり得ないだろ。 あんな元気で優しくて、いちいちうるさく突っ込んでくる奴が自殺なんてする訳ない。 二階堂の言葉が脳裏に過る。 「一番納得できる考えが、誰かが屍の欲をコントロールしているものがいるってことね」 「まさか・・」 さっき無視した留守電の番号を再び見て、制服のポケットに放置していた学生手帳を取りだした。 学校の番号だ。 ピーという電子音の後に、担任教師のいつもより倍低いトーンの声が出てきた。 『こんにちは、並川です。今日はお疲れ様でした。出席してくれてありがとう、きっと倉林君も天国で喜んでいると思います。それと、・・・もうテレビで知っていると思うけど、伏さんがお亡くなりになりました。お葬式などの連絡はまた伝えます』 間違いはない。ということは、本当に日和は死んだのか。 もう何をしたらいいか分からなくなった。 何故だろうか、怒りも悲しさもない。 今俺の心にあるのは、戸惑い。 ああ、何だろう。俺をこれまで不幸にして、誰だよ。誰なんだよ。 「うあああああああああ!」 |